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2025

    利益率にこだわった企業のあり方 ROIC経営とは?

    利益率にこだわった企業のあり方 ROIC経営とは?

    ゼロからわかるビジネス基礎知識

    目次

    • ROIC経営とは?
    • ROICとは?
    • ROICが教えてくれること
    • ROICの目安は?
    • ROICが低い場合は何に留意すべき?
    • 近年ROIC経営が注目されている理由
    • ROICは事業別に算出できる
    • ROIC経営のメリット
    • ROIC経営のデメリット
    • まとめ

    ROIC経営とは?

    ROIC経営とは、企業が投下資本利益率(ROIC)を経営指標として用いる経営手法のことです。ROICはReturn On Invested Capitalの略で、企業が調達した投下資本(有利子負債+株主資本)に対して、どれだけの利益を得られたかを示す財務指標です。ROIC経営を導入することで、企業は資本効率を高め、持続的な成長を目指すことができます。

    ROICとは?

    ROIC(投下資本利益率)は、企業が調達した資本をどれだけ効率的に使って利益を生み出しているかを評価する指標です。企業の収益性をより正確に評価できるため、投資家にとって重要な指標となっています。具体的には、税引後営業利益を投下資本で割った値で計算されます。ROICの計算式は以下の通りです。

    ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本 × 100

    ※ 投下資本は有利子負債と株主資本の合計です。

    ROICが教えてくれること

    ROICは企業がどれだけ効率的に資本を運用しているかを示します。高いROICは少ない投下資本で多くの利益を生み出していることを意味し、企業の収益性が高いことを示します。逆に、低いROICは、投下資本に対して利益が少ない、または赤字であることを意味します。

    ROICの目安は?

    ROICの目安は業界によって異なりますが、一般的には7%以上が望ましいとされています。ROICが高ければ高いほど、企業の収益性が高いことを示します。

    ROICが低い場合は何に留意すべき?

    ROICが低い場合、企業は以下の点に留意する必要があります。

    • 投下資本の見直し: 投下資本が適切に運用されているかを確認し、必要に応じて見直すことが重要です。
    • 利益率の改善: 利益率を向上させるための施策を検討し、実行することが求められます。
    • 事業の再評価: ROICが低い事業については、その事業の継続の是非を検討する必要があります。

    近年ROIC経営が注目されている理由

    近年、ROIC経営が再び注目を集めています。その背景には、以下の要因があります。

    • 投資家の利益率重視: 投資家は企業の利益額だけでなく、利益率の高さを求めるようになりました。ROICは企業の収益性を正確に評価できるため、投資家にとって重要な指標となっています。
    • 伊藤レポートの影響: 2014年に経済産業省が発表した「伊藤レポート」では、企業がROE(自己資本利益率)8%以上を達成することが推奨されました。これにより、企業はROEやROICの改善に注力するようになりました。
    • PBRへの関心の高まり: 2023年に東京証券取引所がPBR(Price Book-value Ratio)1倍割れの企業に対し、改善を要請しました。これにより、資本コストを意識したROIC経営が注目されるようになりました。

    ROICは事業別に算出できる

    ROICは企業全体だけでなく、事業や部門ごとに算出することもできます。これにより、各事業の収益性を評価し、適切な予算配分が可能となります。事業別のROICを算出することで、企業は価値の高い事業を特定し、効率的な資本配分を行うことができます。

    ROIC経営のメリット

    • 資金調達のしやすさ: ROIC経営を導入することで、資金調達がしやすくなります。投資家や金融機関に対して、企業が効率的に資本を運用していることを示すことができるためです。

    • 収益性の正確な分析: ROICを用いることで、企業の収益性をより正確に分析できます。ROEやROAだけを用いる場合よりも資本効率を正確に評価できます。

    ROE(Return On Equity): 自己資本利益率のことで、企業の自己資本に対する利益の割合を示します。ROEは、株主から見た企業の収益性を評価する指標です。
    ROEの計算式
    ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

    ROA(Return On Assets): 総資産利益率のことで、企業の総資産に対する利益の割合を示します。ROAは、企業の資産の効率性を評価する指標です。
    ROAの計算式:
    ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

    ROIC経営のデメリット

    • 計算の複雑さ: ROICは計算が複雑であり、正確に理解しなければ効果を発揮しません。従業員に対する教育や研修が必要です。
    • 適用の難しさ: サービス業など投下資本をあまり用いない業種では、ROICが適用しにくい場合があります。また、企業の成長フェーズによっては、ROICが参考にならないこともあります。

    まとめ

    ROIC経営は企業が資本効率を高め、持続的な成長を目指すための有効な手法です。ROICを用いることで、企業の収益性を正確に評価し、適切な資本配分を行うことができます。一方で、ROIC経営を導入する際には、計算の複雑さや一部の産業には不向きである点に留意する必要があります。ROIC経営を効果的に進めるためには、従業員への教育や関連指標の併用が重要です。ROIC経営を導入することで、企業は資金調達がしやすくなり、持続的な成長を実現するための細かな分析が可能となります。ROIC経営を効率良く行うためのポイントを押さえつつ、ROICを経営に活用していきましょう。

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